感想置き場

小説・ゲーム・稀に映画の感想置き場。ミステリーとBLとアサシンクリードが好き。

『Assassin's Creed Syndicate』感想

 アクションゲーム、特にスニークの類いが苦手で「コソコソ隠れるなんてやってやれるかーっ!全員殺せば解決じゃーっ!」と突撃してしまうタチの私が一番苦手そうに見えたアサシンクリードシリーズ。果たしてクリアできるのか心配だったが、「実在する(した)都市を縦横無尽に飛び回れて時代の空気を肌で感じられるゲーム……やりて〜っ!」という思いで購入。もちろん詰んだりしたら肌で感じるどころではないので、レビューで一番簡単そうに言われているやつを探した。ゲーマーの言う「簡単」「ヌルい」は私にとってはあまり当てにならないので、シリーズ初プレイの人やゲーム自体にあまり慣れていなさそうな人の意見を参考にした。  

    このシンジケートと、初めてeasyが導入されたというオリジンズで迷ったが、どうせなら古い方を先にした方が後続をやりたくなったときにシステムの進化を感じられていいのではないかと思い、シンジケートに決定した。
    

 その結果どうだったかというと、た〜〜のしかった〜〜!大満足!

 懸念材料だったスニークは、最初は何をどうしたらいいのかわからなくて敵に見つかりまくってボコボコにされたり、ターゲットに逃走されたことに動揺して間違えて殺しちゃって死体を担いで逃げようとしてボコボコにされたりして「ドジっ子アサシン珍道中じゃん……」と落ち込んでいたのだが、電気爆弾を入手する頃には「何とか板についてきたんじゃないか!?」くらいにはなってきた。メインストーリー最終幕では時間制限ありでも落ち着いてキルし、煙幕を投げて3人以上でも対処できるようになって成長を感じた。

 まず鉄則は物理戦闘をなるべく避けること!アサシンなのだから当たり前といえば当たり前なのだが、序盤はパニクってつい殴りかかってしまうことが多かったので「まず何はともあれ逃げる!」をモットーにしたらだいぶ調子が出てきた。

 そして何よりも大切なのは状況把握!目標地点に近づいたらまず索敵!周りにどれだけ敵がいるのか、今自分が持っているもの・使えるものは何か、制圧した区域の宝箱は取ったか、等をちゃんと把握しておくことを心がける。

 特にミッション中は己の反射神経を一切信用しないことがミソ。ゲームの上手い人だったなら多少想定外が起こっても対処できるのかもしれないが、私にそういうことを期待してはいけない。目的だけでなく逃げ道までをちゃんとシュミレートしておく。

    それでもターゲットを生かして捉える賞金首狩りや、気づかれずに盗め等のミッションは結構苦手なままで、殺せば済むタイプのミッションの方が遥かに楽だなと思った。ゲーム中にも「殺させてくれぇ〜〜」みたいな声が出ていた。

 その中でも苦手だったのが馬車。ふらふらしまくりぶつかりまくりUターン出来なさすぎ。まずバックがL2でできることを知らなかったため序盤はかなり苦戦した。目的地で煙幕を使えば囲まれていてもミッション達成になることを攻略サイトで知れたのは相当ありがたかった。「馬車は嫌だ〜馬車は嫌だ〜……って結局馬車か〜〜〜い!」ってシーンがめちゃくちゃあったので疲れた。それでも何度も何度もやらされるうちにさすがに慣れてきて、ヒーコラ言いながらも何とかクリア。今後も馬車はなるべくやりたくはない気持ちがある。
  そんな風に諸所で悲鳴を上げながらも最後まで楽しくプレイできた理由は、やっぱりロンドンの街中を好き勝手に歩き回り飛び回りできること!私は西洋かぶれなので、ロンドンの街並みも教会も宮殿も庭園も、とにかく見るスポット全てに感動!ビッグベンの時計の部分にぶら下がれたときは全身に震えが走った。時計の部分が光って月夜に浮かび上がる姿はもう垂涎モノ。(PS4自体のスクショ機能をすっかり忘れていたために、クエスト専用マップ内の写真が取れていなくて大変無念……。)それとメインストーリークリア後にバッキンガム宮殿を歩き回れることには痺れたし、セント・ポール大聖堂の屋根についてる3人のジジイの像を間近で見られる機会なんて生涯無いよ。

 

時計にへばりつくミスター・フライ

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宵闇に浮かび上がるビッグベンの光

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華美~な宮殿内部

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セント・ポールの爺

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あとお気に入りはきったねえテムズ川にダイブすること。ロンドンはたしかに綺麗だけど産業革命期だからそこかしこが煙いしきったない。でもそこがリアリティを感じられていい(住む人間にとっては冗談じゃないと思うけど)。ロンドン最高!

 

きったねえ街でも変わらず夕日は美しいね

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   そんな有名スポット群だけでは飽き足らず、その時代を生きた偉人たちの人生に関われることも楽しすぎた。史実とは異なるんだろうけど、教科書等で知るのと実際に時代を「生きている」姿を見られるのは全く臨場感が違う。ナイチンゲールとかベルとかディズレーリとか盛りだくさんだったけど私のお気に入りはジジイ3人衆。ディケンズのジジイもマルクスのジジイもダーウィンのジジイも人使いの荒い奴らばっかりだったけど面白かったしタフな奴らばっかりだったから許しちゃう。別れの時は「達者で暮らせよ……(涙)」となった。

 そして満を持して登場したヴィクトリア女王!「肖像画のまんまだ!」って大興奮してしまった。しかし「叙勲されるアサシンってめちゃくちゃ権力に阿ってるじゃん!」と不安に思っていたら、ヴィクトリア女王のクエスト最後でエヴィーが「帝国主義には協力できません」と宣言していたので安心した。たとえ権力の恩恵が得られなくても、単なる王室の小間使いにはならないということね。
    あとはおまけマップ(?)の第一次世界大戦!「チャーチルゥ!」ってなったし見慣れた街並みが微妙に近代的になってるのも感動した(発電機とかサーチライトとかテムズ川タワーブリッジとか)。それでもアサシンのやることはそんなに変わらないんだなと思ったけど、技術の進歩のおかげで隠密はどんどんやりづらくなりそうだ。今まで格別能力のある人しか出来なかったことが、広く一般にもできるようになるんだから。


    それとこのゲームを語るうえで絶対外せないのはもちろんジェイコブとエヴィー。このゲーム時々日本語訳があやふやなことがあって、今何の話してるのか見えないときがあったんだけど、とりあえず姉弟の中が険悪なのはバリバリ伝わってきた。でもブラコン・シスコンばっかりのフィクションとは違って実際の兄弟関係ってけっこうこんな感じだと思うので、私にはこういう方が好ましいかもしれない。

    まずジェイコブが派手好きで細かいこと考えずに戦いたいタイプって時点でアサシン向いてなくない!?って思うわ。実際ミッションをやるにしてもステルススキルが豊富で投げナイフ大量持ちのエヴィーの方がやりやすいし。私はむしろジェイコブ側というか、エデンの布とか使命とかよりギャングを率いて戦いてえ〜って気持ちの方がわかるんだけど。(データベースの人物欄にも「No.2のアサシン(No.1はエヴィー)として名を馳せていた」って書いてあって、「ですよね〜」と思った。)それでもジェイコブの、貧しい人々や子供を守りたいって気持ちは本当だったっぽいので「そこまでこき下ろさなくても!」と擁護したくなる。
    というかエヴィーさんだってしっかりしてるかと思いきや、尾行に気付かずソーンに鍵取られたり、ヘンリーへの愛を優先して設計図逃したり、催眠術にうっかりかけられたり、最終幕の大事な局面でまたしてもラスボスに鍵を取られたりけっこうやってますからね。特に催眠術にかけられて警察にパクられ、檻の中で動物のように奇声を発してたなんてアサシン的にクソダサですよ。ジェイコブにバレたら一生ネタにされるレベル。あまりにもエヴィーさんが簡単に催眠にかかりにいくもんだから、最初私「これはかかった演技とかなのかな!?」と期待しちゃった。でも結果は、はした金盗んでまんまとパクられてた。これに限ってはまごう事なきドジっ子アサシン。
    そんなギッスギスの2人がいつか決別してしまいそうでハラハラしながらプレイしてたんだけど、最後には仲直りしてくれてホンッットによかった!やっぱり2人で助け合ってスターリックとの死闘を制したのが効いたのかなあ?

    それとジェイコブが自分の悪かったところを認めたのがめちゃめちゃデカいと思う。尻拭いしてもらったって申し訳なさそうにしてたし、何より「寂しかった」の一言よ!これが言える勇気!ジェイコブ君偉い!その前にエヴィーが「(エデンの布を纏っていたら)私が不死になってジェイコブだけおじさんになっちゃう」って言ったのも、2人がこれからも運命共同体でいるつもりって感じでグッと来た。エヴィーの方も「父親が全て正しいわけじゃない」って折れたしね。2人が最後に「列車まで競争だ」て言いながら走り出していくシーンがめっちゃ心に沁みた。達者でやれよ……。
    それから忘れちゃいけないのがヘンリー。最初からエヴィーさんといい感じの空気作り出しちゃってワ〜オって感じだった男。

    任務中に「僕が引きつけるよ」と申し出られたが私は一切信用しなかった。自分でやった方が早そうだから。そうしたらまさかの拉致られ姫ポジの男だった。「あいつ何をやっとんじゃ〜〜!どうやってこの落とし前つけてくれるんだコラァ!」とぶつくさ言いながら救出。流石のエヴィーさんも任務失敗に責任を感じて関係を断ち、「どうなる2人の関係!」とワクワクしてしまったのも事実。その時点でアーカイブを見て、ヘンリーが肉体よりも頭脳派だという情報を得たのだが、まさかまさかのラストバトルで名誉挽回してくるなんて思わなかった。プレイヤーは必死だからもうヘンリーのアシストが来たとき「へ、ヘンリィィィ〜〜!!」って声が出てしまったわ。肉体派じゃないのに!助けに来てくれたのね!お前のおかげだよ〜〜!
    あと個人的に心に刺さったのはマクスウェル・ロスだな。「散々殺しまくってきたブライターズのボスと協力〜!?利用されてるんじゃないの!?」と相当疑ってしまったのだけど、子供の命を巡ってジェイコブと決別したってことは、それまでは本心から協力したかったってことだもんな。疑って悪かったよ。  

    楽しくて刺激的なことのためにギャングやってるんだって話も完全に本当のことしか言ってなかったんだな。あまりに怪しすぎて一周回って怪しくないパターンだったか〜。
    特に死に際で、実はジェイコブに惚れてたって事実がわかったのが相当キた。愛かぁ〜〜愛じゃしょうがねえなぁ〜〜。たしかに自由と享楽を愛するジェイコブとは相性良さそう。

    でもジェイコブの方は、罪なき子供達の命をどうでもいいと思えるほど己の楽しみ一辺倒にはなれない人だから、譲れない一線を守るためには別れるしかなかった。というかジェイコブくんはちょっと目立ちたがりで派手好きで頭よりも体が先に動いちゃうタイプなだけで、他人のことがどうでもいいわけではないからね。

    好むものが同じなら上手くやれると思ってたのに思い通りにいかなくて、ロスの愛と憎しみの混ざり合った炎が燃え上がっちゃったわけね。愛って簡単に人を見境なくさせちゃうから怖い。でも愛憎で燃える劇場は最高にグッドだった。いいボーイズラブを見せてもらったわ……。
     
    しみじみと思うけど、ストーリーが良かった〜。最初にラスボスが提示されてて、関係者を暗殺するごとに近づいていくって基本スタイルも心が沸き立ったし、個々の暗殺ミッションも病院だったり銀行だったり劇場だったりバリエーション豊富で、侵入も普通に窓から入ったり変装したり協力者を得て堂々と突入したりで、緊張はするけどそれ以上に次は何が待ってるんだろうってワクワクした(馬車だけはもう勘弁だけど)。本当にやって良かった。オリジンズとかオデッセイとかも視野に入れようと思う。

 しかしこのゲームに慣れてしまうと他のをやったときに「ここ登れたらなあ……」とか考えてしまいそう。

 

追記 :無料DLCでできる事件捜査もミステリーオタクとしてめちゃくちゃ楽しかった!アサシン一切関係ないけど!鷹の目ってこういう使い方もできるんだなぁと感心してしまった。でもこっちはむしろ殺す側なのにどのツラ下げて犯人を警察に突き出してるんだろう……とは思った。むしろ今までの殺人量を考えたらこっちの方が遥かに凶悪犯……。

 

列車の隠れ家とかいう発想超好きィ

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男爵の装束を着ていったらNo.1アサシンのエヴィー様が「いい服ね」と褒めてくれた

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「外を見る」中にLスティックで四方から列車を見られるという素敵機能に最後の最後で気づいた

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