感想置き場

小説・ゲーム・稀に映画の感想置き場。ミステリーとBLとアサシンクリードが好き。

『Assassin's Creed Origins』感想(Odysseyも少々)

    いや〜〜面白かった〜〜!

 実はオデッセイから先にやっちゃったんだけど、ギリシアの雰囲気にそこまで惹かれなかったからかスパルタに与するのに気が進まなかったからか家族の修復にそこまで興味がなかったからかピタゴラスいけ好かないと思ってしまったからか巨大怪物と戦うためにアサクリ買ったわけじゃないからか「呼吸しない、の答えが魚っておかしいだろ!えら呼吸知らんのか!?」と憤慨したからか傭兵システムに超イライラしたからか(余談だが傭兵システムが無いとこんなに堂々と殺しができるんだ!という感動がオリジンズにはあった)、まあまあ楽しいんだけどイマイチ乗りきれなくて「んん〜〜?」って感じだったんだよ(同性愛要素がたっぷりあったのとバルナバスくんが可愛かったのはめちゃくちゃ好きな点だけど)。

 そうなってみて、じゃあほぼ同じシステムらしいオリジンズはどうなの?と若干心配していたのだけど、ところがどっこい超楽しい。やっぱり主人公が好きになれるかどうかと、行動指針に同調できるかどうかが私にとっては一番大事だと思った。

    思うに、私はゲームがやりたいというよりは物語を堪能したいだけだから、魅力的なストーリーが無いと何にもやる気になれないようだ。自由度よりもどれだけ没入できるかの方を重要視してしまう。アレクシオス が悪いわけではないけど、前述の通り、ストーリー上用意される目的に私はそこまで燃えられなかった(唯一興味が湧いたコスモス門徒との悶着もラストが微妙にあっけなく感じて……)。

 その点今回はアサシン教団設立までを辿れるという大筋にもワクワクしたし、主人公バエクくんの復讐がどんな結末を迎えるかにも興味津々だったし(まず若そうに見えたのに妻も子供もいるの!?ってなったのがビックリポイントだった)、プトレマイオスの圧政に苦しむ人々を助けるというのもわかりやすいし共感しやすいし、何よりエジプトの風景に感動の嵐!

 これはもう完全に私の趣味でギリシアよりエジプトが好きというだけなのだけど、どこか不気味なのについ近寄ってみたくなってしまうような神秘的な美しさを纏った人工建造物の数々!完璧なシンメトリーで構成された神殿!最高!メンフィスのプタハ神殿なんてあまりの素晴らしさに卒倒しそう。

 

 命の家 巨大すぎる二対の像

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セクメト神殿のかっちょいいモノリス

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最高プタハ神殿

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バエクさんに「思ったより小さい」とか言われた大スフィンクス

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絶対外せないギザのピラミッド

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  どうやら私は広大な山々や海よりも、意味不明な大きさと気の遠くなるような精巧さで作られた人口建造物を眺めて「うおおおお!」となる方が好きなようだ。それが巨大であればあるほど良い。「これを作ろうと思った人も実際に作ってしまう人も到底正気とは思えない……。」と唖然としたい。そしてあわよくばアサシンの超身体能力でその頂上に登り、ダイナミックにイーグルダイブ!なんてことが出来ようものならもう思い残すことはない。(その点ではギリシアの巨大なゼウス像とかアテナ像とかポセイドン像とかもなかなか良かったが、いかんせん神殿類が小さすぎた。)

 でもオデッセイからやって良かったと思った点は、いくつかの街を構成するギリシャ風建築に対して「懐かしい〜!」と思うようになったこと(まるで当時生きてた人みたいだ)。散々聞かされたゼウスだのアポロ(ン)だのを変わらず聞けることもあるし、ギリシア人のような服を着たセラピスとかいう聞きなれない名前の神の名前もあって、それがエジプト人にも信仰されているという事実に、征服者は己の正当性を謳うために神から変えていくのかと戦慄を覚えたりもした。

 

もはや懐かしいゼウス神殿

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「セラピスって誰よ!」なアレクサンドリア大図書館

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    そしてもちろんアヌビスやオシリスなど有名なエジプトの神々の話が人々の生活に溶け込んでいる様もよかった。バエクも当たり前のように信心深くて、遺体を火で燃やすことを冒涜だと言ったり「葦の原野を渡れなくなるぞ」が最大級の脅し文句になったり「この街は儀式によって砂漠に捧げられたのだから掘り起こすのは摂理に反している」とか、その時代を生きている人の生(ナマ)の感覚に驚くことばかりだった。やっぱり「時代の空気を肌で感じられる」という点がアサシンクリード最大の持ち味であると私は思う。 
    あと細かいところでは、トカゲの暗殺の時にいつもみたいな高警戒地域ではなくて堂々と正面から入れて、「5人の中で本物のターゲットは誰でしょう?」って展開だったのが一番好きだった。それから象に乗ったターゲットと戦わされて「聞いてないよぉ!?」となった後倒したターゲットが落下死?圧死?したところも好き。それからスカラベに砂に埋められたとき、呼んだ馬がなかなか近寄らなくて困ってたら痺れを切らしたセヌくんが「ピィーッ!」って追い立ててくれたところも超好き。セヌくんが有能すぎて一生愛す。

 

 ここからはバエクとアヤ周りの話。
 いや〜〜バエクくんホント好きだわ〜。真面目で誠実、弱き者に優しいところはもちろん、悪に対しては一転して容赦なく切り刻み殴りつける苛烈なところも好き。そして子供に対してはどんな子にでもめちゃくちゃ甘ちゃんなところがマジで可愛い。あと目の周りが黒いところも超好き。
    さらにとりわけ好きな点は、大義よりも個人的な幸せを大事にする派なところだな。バエクくんは復讐さえ成せられれば後は夫婦仲良く暮らせればそれでいいという感じで、妻のアヤの方がエジプト全土を救うという大きな目的に身を捧げたい派なんだよね。大抵のフィクションだと男女逆になってると思うので新鮮だったな。

    最初あんなにラブラブシーンをプレイヤーに見せつけてきたのに中盤からだんだんすれ違うようになってしまって、最後には2人が夫婦関係を解消してしまったのはかなり悲しかった。「別に前と同じ性質の愛でなくても、別れるまではしなくてよくない?遠くでも繋がっているよでよくない?」と思ってしまったんだけど、やっぱり個人的に愛する夫という存在をもっていると、それが弱みになったり夫と信条を天秤にかけなければいけない時がどうしても訪れるだろうから、そうするしかないというのもわかる。身の回りの人を大切にすることの延長に自らの国を大切にすることはあるから、決して2人の絆が切れたわけでも愛がなくなったわけでもないんだけど、ただ優先順位が違う。それだけで側にいられなくなってしまうこともある。人間関係って儚い……。アヤの「二度と私のような母親が出ないようにしたい」という信念も、散々人を殺しまくった自分たちが日の当たる人生なんて歩んじゃいけないという気持ちも理解できるが故に。
    しかしアヤはバエクの関与していないところでターゲットを殺っちゃってたり船旅してたりラストのセプ何とかとカエサルという美味しいところをもってっちゃったりいろいろしてたわりに、装備変更不可とかシステム的には妙にとってつけた感じだったな。雰囲気はおまけっぽいけどめちゃくちゃ重要な本編だからチグハグだった。特にセヌがいなくて敵をマークできないのがだいぶ困った。いっそのことフライ姉弟みたいにダブル主人公だったらしっくりきたかもしれない。やっぱカエサルという超大物を殺るのは一から育てた主人公でやりたいという気持ちは無いでもないよね。
    私はバエクくんが伝説級の戦士でありながら名声や権力に頓着しないところが大好きだよ。メインストーリー最後のムービーでバエクが子供を支部に連れて行くのではなくただ手を繋いで家に送り届けるシーン、心底彼らしくて胸が熱くなった。大義のために戦う姿ももちろんいいけど、ただ身の回りの人が健やかに暮らすために思いやりをもてることも、ものすごく大切なことだと思う。
    それとそのラストムービー自体が死ぬほどカッコいい。闇を駆け忍び寄る暗殺の鮮やかさ!それから支部の描写!アサシンクリード 1で見た光景に完全に一致した瞬間(私はプレイしてなくて動画で見ただけだが)、身体に震えが走ったわ……。

    クレオパトラを信じて彼女のために働いたのに結局裏切られたのは痛手だったけど、そのおかげで人々のために戦いたいという志をもった同志たちに出会えて「隠れし者」となったという展開もかなり熱かった。例え身体が死んでも志だけは未来永劫残り続けるという語りも「真理」って感じがしたわ。たとえ時代が違って地域が違ったとしても、虐げられるままを良しとしない人々の意思は必ず存在するから隠れし者の精神は不滅、っていうね……熱いわ……。
    最後バエクはメンフィスにいるし支部もそこにあるから、彼の帰る場所はメンフィスってことになるのかな。シワのバエクではあるけどケムもアヤもいない家に帰ったところで……って感じだろうし(そもそも物語開始時点からホームは塞がれてたし)、シワは故郷であってももう「帰る場所」ではないんじゃないかとなんとなく思う。彼はもうただのバエクになって、隠れし者として皆のために生きることが目的になるのかな。でも彼には彼だけのささやかな幸せを見つけてほし〜〜という気持ちがどうしても湧いてきてしまうわね。彼の心が穏やかであってほし〜〜!もう何も損なってほしくない!暗殺者をやっている限り難しいだろうけど……。
 う〜んとにかく面白かった!オデッセイで少々不安になったがヴァルハラにも期待。

 

ホルスに似てるけどホルスではない何か 意味がわからなくてもカッコいい 来たりし者と関係がある?

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「ただのバエク」として放浪した白い砂漠で迎える朝

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メンフィス支部だけにあるホルスの目

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メインストーリーの終わり

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