感想置き場

小説・ゲーム・稀に映画の感想置き場。ミステリーとBLとアサシンクリードが好き。

『FINAL FANTASY VII REMAKE』感想

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 私は生粋のテイルズ育ちで、日本のRPGとしてはおそらくその一段階上の知名度であろうドラクエやらFFには一切触れてこなかった人間なんだけど(主にキャラデザがピンと来ないという理由で)、好きなゲーム実況者さんがプレイしている動画を見ていたら自分でもやりたくなってしまった。一応いつか自分でもやる可能性があるゲームの動画は見ないようにしてるんだけど、これに関しては本当に興味の射程外だったから初見の衝撃を逃してしまったのは残念だけど仕方がない。それに最近はネタバレを許せない気持ちよりも、期待に叶うだけの物が確実に待っているという保証が欲しいという気持ちが強くなってきているから、知識が先に来て後から体験で補強するというような遊び方もアリなのかなと思うようになった。

 それからこのリメイクはどうやら原作とは異なるストーリー展開に進むような匂わせをしているんだけど、テイルズではその手の新展開を入れたことで元作品の魅力を担っていた重大な部分を捨てるような惨状になることが多くて辟易していたのでFFはその辺りをどう料理してくるのかという興味があった。もし仮にファンから見て改悪と呼べるようなことになったとしても原作に思入れのない私ならノーダメージなのではないかと考えたのもある。

 先があまりに気になったので原作のプレイ動画も見てしまったのだけど、PSのグラフィックと比べると現行機のクオリティはまさに天と地ほどの差があるので「このシーンがリメイクだとどうなるのかめちゃくちゃ見たい」という気持ちがふつふつと湧いてきて、むしろこの衝動が購入に踏み切る決定打になったと言ってもいい。「この時のクラウドはどんな表情なんだろう?」とか「どんな声色でこれを言うんだろう?」とか「他の都市のグラフィックは?」とかが気になってしょうがない。

 それからティファとエアリスだけでなくバレットともデートイベントがあると知ったのがトドメになったね。「クラウドの女装イベントにあれだけ本気だったなら……もしかしてこれもちゃんとやってくれるんじゃないか!?」という期待を抱かずにはいられない。いや個人的には2人の間にそういう感情は発生しないだろと思うけど、現代ゲームなら恋愛イベントだけでなく同性の友達と気兼ねなく遊ぶのも同じくらいイイと言ってくれよという願望がある。まあ日本のゲームにその手の期待をするのは8割くらい見えている地雷なんだけど……。

 

 ここからはゲーム本編の感想

 このゲームのいいところはたくさんあるけど私が一番推せると思うのはやっぱりグラフィックかなあ。特に施設内とか街並みのクオリティが信じられないほど高い。古びた金属の質感がリアルすぎるし、あらゆる物への光の当たり方の再現度がす〜〜ごい。後はキャラクターのモデリングへの気合の入り方が尋常ではなくて、主要キャラクターに100年に一度の超絶美形しかいない。バレットとかビッグスとか非イケメンみたいに言われてるけどクラウドたちが飛び抜けてるだけでそれ以外もほぼハリウッドスターなのよ。まあ一人二人ならともかくあまりに全員が美麗すぎると「そうはならんやろ」と思ってしまって若干引いちゃうところがあるけど……。

 システム面を一言で言うなら、す〜〜ごくプレイヤーに対して親切なゲーム。まさに至れり尽くせりという感じ。チュートリアルも丁寧だしプレイヤーにとって何が快適なのかをしっかり考えて作られている。こんなに優しくしていただいてよろしいんですか!?オートセーブと任意セーブが両方できることに始まり、ボス戦の前にHPMP全回復+買い物スポットを必ず置いてくれていることや、「音を立てずに家を出る」とか「ポンプを2人で操作する」などのミニゲームも3回ほど失敗するほどクリアしやすくしてくれるという風に細かい気遣いが行き届いている。クエストを達成すると依頼主まで瞬時に飛ばしてくれたり、L1長押しで地下通路から地上に一瞬で帰らせてくれることにはかなり感動した。最近アサクリの旧作ばっかりやってたからわからないけど今のゲームってみんなこうなの? ただサムルートとマムルートの差分を回収したいのにチャプターセレクトするとまさかの陥没道路からなのは「マジかこいつ」と思った。結果を見るのに闘技場イベを挟まなきゃならないところも「マジかこいつ」だった。

 後は戦闘がとにかく面白い!私は戦闘苦手なんで当たり前のようにEasyなんだけど、ガチャガチャやっているだけでも楽しくてちゃんと理解できるともっと楽しい。楽に勝てる条件が敵ごとに細かく設定されていて、チャンスをしっかりモノにできたときの爽快感が大きい。でもEasyだと流石にサッサと終わりすぎるかなーと調子に乗ってNormalにしてみたら、一度に考えることが多くてあたふたしてる間にダメージ受けまくり死にまくりで全滅はなんとか免れるけど常に満身創痍状態に陥ることになり、泣く泣くEasyにとんぼ返りした。ATBゲージが無いとアイテムすら使えないので逃げ回っているだけでは追い詰められるばかりなのが難しい。でもそんなゲーム下手人間のために、アクション自動でコマンドだけ選べばいいというClassicモードまで搭載する圧倒的親切。こんなに優しくしていただいてよろしいんですか!?

 

 次にストーリーの話をすると、中盤ぐらいまではアバランチの作戦にクラウドが付いていっている状態だから、主人公とは言うものの微妙に当事者ではないような雰囲気があった。星の命がウンタラとかバレットが度々熱くなってるけどクラウドさんは金がもらえればそれでいいからね。まあ星の命が終わるとか言われてもあんまり想像できないというか我が事としては捉えにくいから、それよりも日々の生活の方が大事と思ってしまうのはわかる。電車の中のシーンで、神羅の社員とはいえ一般人に執拗に絡んで脅す右腕ガトリングでグラサンの男とかいう絵面があまりに悪くて苦笑いするしかなかった。バレットたちもたまに「街より星だろ」とか「犠牲は仕方ない」とか言うけど、それでも自分たちの家族や仲間がその犠牲に含まれていたら憤慨するんだから神羅もそういう感覚でやっているんだろうなと思う。ただバレットが「お前らの不安や悩みは全部俺が背負ってやる」と宣言するところは素直にカッコいいと思った。

 最初は完全なる他人だったクラウドがみんなと共に死線を潜り抜けることでだんだんと仲間としての意識を目覚めさせていくまでの描写が細かくていい。最近のゲームはパーティトップ以外のキャラクターも一緒に歩いてくれて頻繁におしゃべりしてくれるから、困難を共に乗り越えた仲間という説得力が増し増しになっている。

 クラウドはソルジャー自慢をちょいちょい挟んできて基本的にスカしてる態度なんだけど、単に適切な接し方がわからないだけで本当は心優しい奴だとわかる描写が随所に出てくるのでどんどん彼が可愛く見えてくる。「いくつだ?」と聞かれて歳ではなく「クラスファーストだ」とドヤ顔で言い切るシーンには爆笑した。強くお願いされたら断れないところもいい。ハイタッチを嫌ってるのではなくわかってない?っぽくてだんだんと出来るようになっていくのが良すぎる。

 あと外せないのはエアリスとティファに関してか。私はエアリスの見た目は好きだけどあの接続詞のない話し方が結構苦手。なんかスタッフが言葉を覚えたての姪の話し方を参考にしたとか聞いたけど、エアリスの歳は10代後半から20代前半だろうに女児の話し方採用すな。アホに見える。彼女が列車墓場のゴースト騒ぎの時、敵対的ではなさそうとはいえ縁もゆかりもないゴーストに親身になりすぎていて「のんきやな〜〜」とか思ってしまった。この手の博愛キャラって苦手なんだよなあ……。それに加えてストーリー後半になるとパーティー内でエアリスしか知らないことが多すぎるせいで、発する言葉の8割ぐらいが思わせぶりの何を言いたいのかわからないものばかりなことに正直イラついた。暗くなりがちなクラウドやティファを明るく元気づけられるのはいいキャラしてると思うけど……。

 清廉潔白な人よりも内心に弱さを抱えている人の方が私は好き。そういう意味ではティファが予想以上に可愛く見えた。肉体的にはそこらの人より圧倒的にタフだけど精神面では結構ネガティブっていうキャラ付けがいい。戦う時の「邪魔だ!」がありえないほどカッコいいし。バレットとのやり取りも気心の知れた間柄という感じでよかった。内臓入ってんのかな?ってくらい腹が凹んでるのは見るたびにワ〜オと思うし、筋肉ついてるとはいえ腕も細い(それはクラウドもか?)のはやっぱり"ヒロイン"だからなんだろうな〜とか思ってしまう。

 そういう個人的な好みを差っ引いても、クラウドさんがティファを大事に思っているオーラを事あるごとに出してくるから、この2人をくっつけてあげたいという気持ちが湧いてきてしまう。クラウドさん、ティファに対する声だけが他に比べて明らかに優しいもの。ティファが危険なときは一瞬も迷わずにサッと助けて(ついでにバレットも)「大丈夫か?」と言ってしまえるところがあまりにカッコよくて失神するレベル。

 神羅ビル脱出までの流れはほとんど文句という文句が浮かばないくらい楽しかったんだけど、録画禁止区域に入ってから以降の展開にはあんまりノレなかったというか、「未来は自分たちで切り開く!」みたいなセリフにもう食傷すぎて「なんでRPGって毎度毎度こういう感じになってしまうん?」と若干白けてしまった。似たように見えるゲームタイトルたちにも中身にはそれぞれの個性があるのに、なんで終わり方は大抵どこかで見たような感じになってしまうのかな?

 運命の壁を超える動機も、クラウドは本能的?にセフィロスを打ち負かしたいという衝動がありそうだけど、バレットもティファもほぼエアリスに言われるがまま流れで来たみたいな感じだったし……(というか未来云々言ってるのがほぼエアリスを通してしかわからない情報だから)。

    しかも運命が変わった結果、原作では死ぬことになった人たちが軒並み生存する(最後のムービーを適当に見ちゃったから気づかなかったけど、他の人の感想を見るにザックスが生存したのは別の世界線?だったっぽい)というのはなんだかな〜〜。個人的に「奇跡が起こって全員生存みんな仲良しハッピーエンド!良かったね〜」的な展開はあんまり好きではないから……。精一杯生きた結果死ぬのはそんなに悪いことかな?好きなキャラが死ぬことにショックを受けるのはあくまでファンの視点であって、お話を作る側の人はストーリー上必要だと思ったから死ぬことにしたんじゃないの?それを覆して尚それより面白くする自信があるの?と疑いを抱いてしまう。

    それとセフィロスクラウド個人に対して何かアドバイスをするような言葉をかけてくるから、ひょっとして今後共闘する展開とかもあり得るのかなあ?と気になった。私は所詮動画で見た程度の知識しかないけど、クラウドに対して「お前を失いたくない」とかそんなこと言うキャラだっけ?「星の真の敵はセフィロス」ってエアリスが言うけど、セフィロスの方も運命の壁を壊したがっているようなそぶりを見せるから敵対する理由がわからなくなる。星を生存させるためならどんな手段でも使う(多くの人間の人生をぶっ壊すことになっても)、みたいな感じなのかな?セフィロスも思わせぶり2号だからほぼ匂わせしか喋らないし。

    もし本当にこの先の展開が原作と全く違うものになるのなら、「あのシーンが今のグラフィックでどんな演出になるか見たい」という私の購入動機は満たされない可能性がある気がしてきた。まあセフィロスの言う通り本当にこの先はわからないのでほどほどに期待しながら待とうと思う。