感想置き場

小説・ゲーム・稀に映画の感想置き場。ミステリーとBLとアサシンクリードが好き。

『Tales of ARISE』感想

 私は生粋のテイルズ育ちなので、本当に久々にバンナムが新作を作る気を起こしてくれたという事実が嬉しくてやったけど……う〜〜ん……なんというか……使い古されてるなあ……という感じ?特に最終戦付近はどこかで聞いたようなやり取りばかりで全然身が入らなかった。ヴォルラーンに対して繋がりがどうのこうのとか赦し合うのがどうとか完全に「もう見た」すぎて……。私自身もう世界を救うとか絆とかいう話に魅力を感じなくなってきたという要因もあるとしても。

 世界観はすごく興味を惹かれる構成で、テイルズお得意の「種族間の対立」から少し変わって完全なる支配・被支配の関係を描いていたのは新鮮だった。そこからアルフェンの出自やシオンの秘密、領戦王争、レナの王、星霊術の謎を追いかけていくのはとても楽しかったし、各領独特の自然や街並みや領将たちの多彩さにワクワクした。

 ただ世界観がしっかりしている一方で、パーティーメンバーが信頼し合うまでの描写が唐突に感じる時があった。「そこでそんなに感情的になる?」とか「今そこってそんなに問題かな?」というような小さな違和感が積み重なって彼らの感情についていけないことが多かった。特に光の国でのジルファ・ロウ周りと地の国でのキサラのブチギレ金切り声と風の国でのリンウェルの憎悪・復讐の話とアルフェンがシオンシオンとグイグイ行き始める辺りには「???」となってしまった。

 まず光の国でジルファが死ぬ、そこまではまあいい。シオンのいう通り、戦いなんだから誰かが死ぬことはあり得る。ただ私としてはジルファとまだそこまでの付き合いではないと思っていて(ビエゾ戦の時は別行動だったし)、「話のわかる人だしこれから仲良くなれそう」程度の気持ちだったわけ。それで死んだと言われてもなんだかな〜。「壁を壊せ」が今作のテーマっぽいからそれをジルファに言わせることで導き手としての役割をもたせたかったのはわかる。ダナの人々はレナに虐げられることが当たり前で、それを覆そうなんてほとんどの人は思いもつかないという世界だったから、「奴隷に甘んじるのではなく自分の力で戦える」という選択肢をアルフェンにとっておそらく初めて示してくれたのがジルファで、だからこそアルフェンがその死を強く悲しむのはわかる。そこまではプレイヤーの人生経験との乖離があるから仕方ないとしても、アルフェンの悲しみに対してシオンは怒りすぎじゃね?となって(まあシオンがキツイことしか言わないのは事情があるからだけど)、アルフェンがもう戦うのやめるって言ったわけでもないのにビンタするほど?と戸惑いを覚えてしまった。それが彼らにとっては信頼エピソードということになっているみたいだけど……。というかビンタで目を覚まさせるとかいう古臭い展開が単純に好きではない……。

 それでロウの方も自分でジルファを売った結果殺されるハメになったことは間違いないのに、結構すぐに「おのれガナベルトォ!」にシフトしたように見えて、「は?間接的にはお前のせいだけど?」と私の脳内でハテナマークが乱舞してしまっていた。光の国突入時点の私にとって2人は知り合って少しのおじさんとほぼ初対面の息子さんなわけよ。その程度の関係で「親父ィィィィ!」という場面を見せられても「なんか盛り上がってんな〜」としか思えない。ロウが加入した時は新しく仲間が増えたことを喜ぶべき場面だったんだろうけど「お前のせいでもあるんだから仲間面しないで?」としか思えなかった。少なくともガナベルトを倒すまでは「申し訳ないけどケジメの為に協力してくれ」ぐらいの距離感にしてほしい。その後もちょくちょくロウがそのことを話題に出して反省するフェーズが挟まれるのでずっと気に病んではいるんだろうけど、そういうのは加入する前にやってくれない?決して全体の流れとして矛盾しているわけではない、ないけどなんか……速いのよ全てが……。そして反省するのは大歓迎なのだけど、今度はロウメインのスキットの7割(体感)でジルファの話が入って、まさかのエンディングまで事あるごとに「ジルファが〜」「ジルファだったら〜」と擦られ続ける。君たちには悪いけど私にとってはそんな大した人物じゃないし、その息子だからというだけでロウへ親近感をもてるほどの関係じゃなかったんだって。制作側の、ジルファを重要人物にしたいという熱意が先走りすぎているからそういう時キャラの感情に全然付いていけない。ロウがどうのこうのよりも、私は紅の鴉の人達が自分達のいないところでジルファが死んでしまった事実にどんな反応をするのかと心配したのに、こっちは誰も特に嘆き悲しむでもなく「気にするなよ」という対応だったことにも「ええっ?」と思ってしまった。流石にロウにとって都合が良すぎない?結局ジルファの存在は作劇上ロウやアルフェンの動機付けをするための舞台装置にしか見えなかった。

 次に地の国の話。この章自体は結構好き。悪の親玉と見なされていた領将が実は権力に無頓着で人々に慕われる好人物だとわかり、倒していいのか躊躇する展開になるのも、実はその人が掲げた「共存」という高尚な理想が建前だったという展開も面白かった。突然融和政策を進められたことでレナ人の間でも水面下では分裂が起きていたというところもリアルで良かった。良かったんだけどテュオハリムが真実を告白した時のキサラさんの豹変ぶりがあまりにあまりで正直ドン引きしました。そんな「イイヤァアアアア!!エアアアア!!」みたいな金切り声出さなくてよくない?いやお兄さんが目の前でドロドロの物体になったと考えたら無理もないかもしれないけど、これもロウたちの時と同じでキサラさんともお兄さんともこっちは出会って2日ぐらいしか経ってないのよ。そんな状態で理性的な女騎士だと思ってた人が突然発狂してみなさいよ(今思えばその少しの間でも兄さんに対する反応はちょっと過剰だったけど)。彼女らがどれだけテュオハリムに心酔していたかなんて知らないからまた「なんか盛り上がってんな〜」状態。しかもたとえ実態がどうであれテュオハリムは「レナとダナの平等」を口先だけではなくちゃんと統治で結果として示していたじゃない。ただ人の苦しみを見たくないだけなら自分だけ王宮に閉じこもって見えない聞こえないを貫き通すこともできたのに実際に行動している(これは章の最後でアルフェンも言っている)。それで現実に人々の苦痛と絶望が減って豊かな暮らしができているなら内心がどうとかそんなに重要なことかな?キサラさんは目玉をギョロギョロさせながら「殺す!殺す!」と喚いていたけど、彼を殺したところで絶対に今より国が良くなるはずがないどころか、拠り所を失った民は絶望の日々に逆戻りじゃないの?テュオハリムは領将なのに知らないことが多すぎたという点は悪かったけど、流石に殺されるほどの罪は犯していない。キサラさんがその発狂タイムを「二度と顔を見せないで」で締めくくった時は「あっ、この人その結果民がどうなるのかとか全然考えられないんだな……。」と私の心が完全に彼女から離れてしまった。「近衛兵まで勤めながらその程度の視野の狭さなんだ……。」って。終盤ではさすがに思い直したのか「あなたのおかげで助かった人々もたくさんいますよ」とか言うようになったけど、あの時のことを後悔したり謝ったりするフェーズがないのでいつのまにかシレッと鞍替えされていたように感じた。なあなあにしないで一度真剣に謝ったほうがいいと思う(テュオハリムもなんか「君にも私を殺す資格があったな」とか言うけどそれだけはない、マジでない)。彼も彼で重篤PTSDもちというか、悲鳴を聞くだけで星霊力が大暴走ってよくそれで今まで領将やれてたな!ここはゲームの構成上領将との戦闘をしなければいけないノルマがあるから無理矢理暴走させたように見えた。彼のトラウマの原因となった出来事に関しては、相手が原因を作ったとはいえ親友を殺してしまったことに対して「あいつが悪い」と言うのは言い訳のようだし、フィアリエを更なる絶望に落とすだけだから言えなかったという心理は仕方がない。その結果悲しいすれ違いが起きてしまったのも仕方がない。ただ終盤でその恨みがすべて誤解から来るものだったと知った後も、フィアリエがそれまで彼を散々罵ったことを謝らなかったことに驚愕した。こいつらもしかして謝るという行為を知らんのか?

 でも領将を殺さないままでメナンシアの解放にどう決着をつけるのかなと思ったら、「もう平等の種は人々の中に根付いているから導く者がいなくても彼らだけでやっていける」という締め方になっていたのは素直に良いと思った。ジルファがリーダーであっても支配者にはならないために「自分で考えろ」と逐一言っていたところといい、「希望を盲信するのもまた奴隷の一種だ」というメッセージを随所に散りばめてくるのは良かった。ただ要所要所での作りたいシーンが先に決まっていて、そのポイントを通り抜けさえすれば「そういうこと」になってるかのようなぎこちなさがあった。

 私が一番納得いっていないのは風の国でのリンウェル関連のこと。リンウェル自体のことはパーティーの中で2番目くらいに好きで彼女に文句があるわけではない。ただ復讐をロウが止めた理屈だけは全然理解ができなかった。実際にリンウェルが言っていたように、ガナベルトを殺した時と何が違うのかをちゃんと説明してほしい。シオンの言う「憎悪を解消することだけが目的になるとそれが果たされた後の生きる目的を見失ってしまう」という部分は理解できた。つまりロウがガナベルトを殺した(RPGはどう見ても殺しているのに倒したと表現する場合があるのであえて殺したと書く)のは明日へ進むためだから良いんだと。でもその後いざアウメドラを殺すか殺さないかというシーンでリンウェルが急に「生きて罪を償わせる」とか言い出した時は「は?何を言ってんの?」と思った。償わせるって何を基準に?誰がどうやって?法で?どこの法で?レナの法に「奴隷をドロドロにしてはいけない」と書いてあるとは思えないけど……。ダナの法で領将を裁くなんてもっと無理だろうし……。レナの支配が無くなって共存社会もしくはダナの社会の秩序が機能するまで待つつもり?どうやって?いや方法なんてぶっちゃけどうでもいいけど、私が一番腑に落ちないのはなんでガナベルト(ビエゾは星霊さんの介入があったから事故と言い張るとしても)は殺して良くてアウメドラはダメなのかってことだよ。法が機能しない場合でも人として許してはいけないラインはあると思うけど、それで言うならガナベルトの方が人をドロドロにしていないだけまだ良心的な方だろ?「生きて償うのが一番の罰」とかいうお決まりの理屈をもってくるかもしれないけど、その罰が機能するのは人々の間で「犯してはいけないライン」がちゃんと共通認識になっている場所だけだろ。今更ダナ人から白眼視されたところでレナ人から何か言われない限りアウメドラはノーダメージだし、ほとんどのレナ人はダナ人がどれだけ苦しもうが「それはそういうものなんだから仕方ないんじゃない?」と思ってるよ。本当にここだけは意味がわからなかった。リンウェルの手を綺麗でいさせるための詭弁にしか見えない。まるでどこかからテンプレを引っ張ってきたかのような会話。なんだ「生きて償わせる」って。刑事モノか? 

 文句が多めになってしまうけど一番魅力が無いと感じたのは主人公のアルフェンかもしれない。熱くていい奴なのは確かだけどなんというか「主人公のテンプレ」という印象で引っかかるものが何もない。仲間に対してかける言葉もどこかで聞いたようなものばかりに聞こえる。例えるならSNSで誰からも大きな反感を持たれない程度に上手く立ち回りつつたまに意見っぽいことを言う人って感じ。自分でも今までの主人公と何が違うのか説明しづらいけど、彼が培ってきた経験とその熱い性格に繋がりが感じられない……のかな。奴隷だった過去から自由の大切さを知る、という理屈はわかるけど奴隷をやめる前と後で特に性格に変化があるようには見えない。まだ仮面がある頃に人に対して励ますようなことをバンバン言えていたのは、記憶が無いゆえに自分には悔やむような過去が無くて前だけ見ていればいいという一種の気楽さがあったんだろうと思う。でもいざ記憶を取り戻して「実は元被検体で大量殺人の過去がありました」とわかった後すら、一時的に落ち込んだだけで特に変わらなかったので結構な肩透かしを食らった。以前より言動が少し慎重になるということもない(他に追うべきことが多すぎて腰を据えて考える機会がなかったのもある)。おそらく大イベントがあっても総合的には全く変化していないように見えるから軽く見えるんだろうな。私の方も300年前と数字だけ示されても実感が湧かないし、レネギスの人々がどんな様子で暮らしていたかも全く知らないので、「かつて多くの人を殺したんだ!俺の手は汚れている!」とか急に言われても全然響かなかった。言っちゃあ悪いけど過去に大きな罪をおかしてしまった主人公とか今更珍しくもなんともないし……。300年前の人間だというなら「今の人はこう思ってるけど実は300年前はこうだったんだよ〜」とか「この場所知ってる!」などのエピソードがあれば少しは地に足が着くのにマジでない。何もない。

 一番わからないと思ったのが彼のシオンに対する過剰な情熱で、彼女がヴォルラーンにさらわれた後に彼が「シオンはいつも俺を励ましたり叱ったりしてくれた。いてくれるのが当たり前だったんだ。」とか言うんだけど、その時点ではそんなに励ましたことあったっけ?やっぱりあのビンタが重要な絆エピソードとしてカウントされている?旅の道中では主にシオンがアルフェンの歩み寄りを悪いようにばかり解釈して「私に文句があるの?」みたいな態度ばかり取るからずっとギスギスしてなかった?シオンが本当は人を思いやれる子なのは治療イベントやらで私にももちろん理解できてはいたけど、そうは言っても冷血ではないというだけで一般的な優しさの範囲に見えたので、アルフェンがそこまでシオンシオンとうるさくなる理由としては弱い気がした。記憶が戻る前なら「ネウィリの面影を見ている」で説明がつけられるけど、そこも記憶が戻った後何の変化もなかった。「シオンをネウィリの代わりにしているんじゃないか?」という疑問が一度くらいは過ぎりそうなものなのに。そういう色々な違和感のせいでシオンが荊の真実を告白してアルフェンがみんなの前で熱く抱きしめる感動シーンにもいまいちノレなくて、「ハイいつもの~私が死なないと世界が滅びるやつ~」というテンションにしかなれなかった。ネウィリのことを大切にする理由ならわかるので、彼女の救ってくれた命と託してくれた未来のために戦うと言ったところはすんなり受け入れられた。

 シオンの側も1回目のヴォルラーン戦直前まで「要らぬ気遣いは迷惑よ」とまで言っていつもの険悪な空気をさせていたわりに、そのヴォルラーンの攻撃からアルフェンを庇ったときはかなりびっくりした。でも彼女の対応は生育環境のせいで人に気遣われるという経験が皆無だったからこそテンパっていたのもあろうし、どれだけ仲良くなっても自分はどうせ死ぬからと投げやりになっていたと思えばわからなくもない。日頃憎まれ口を叩いていても本当に相手の命が危なくなったら身体が動いてしまった、ということも現実的にはあるし。欲を言えばその心情のぐちゃぐちゃ具合を逐一画面上で描写してくれてもよかったけど、それが無くても違和感というほどではなかった。彼女がアルフェンに心を許すに至った理由は、どれだけ遠ざけようとしてもお構いなしに関わってやると宣言されてしまってはもうわざわざキツイ態度を取ること自体が無意味になるから、という点はわかりやすかったと思う。自分のことを仲間だなんて言ってくれた人は初めてだとも言っていたし、シオンからアルフェンへの好意に疑問点はなかった。

 

 悪いところばかり書いてしまったから良いと思ったところも書こう。ヴォルラーンを倒しに行く辺りで「終盤っぽい空気になったけどまさかこのまま終わったらどうしよう……。でもテイルズあるあるの『大きな戦いを終えて〇ヶ月後』って展開にしてくれるよね?でもオープニング映像に出ていた人はもう全員登場しちゃったしな……。」なんて危惧していたのだけど、まさかオープニングを2つも作ってくるなんて度肝を抜かれたわ!まあ流石にレネギスとレナに一度も行かないで終わることはないと思ってたけど、エクシリアの前例があるので行くだけ行って中身はスカスカの街だったらどうしようかと心配しちゃった。テイルズは好きだけどそれと同じくらい過去の所業に対する信頼のなさもあるから……(結局愚痴)。 レネギス自体が侵略のための中継地点でしかなく、街が1つしかないので行けるところはそんなに多くなかったけど、ストーリー的にうろうろ歩き回るような状況でもないし街で各領将を支持する人から彼らの人物像について聞けるイベントがあったのでやばいくらいにワクワクした。ダナから見たら悪鬼のような領将たちにもそれぞれにレナとして生きてきた人生や信念があって、彼らのおかげで助かっている者たちも沢山いたということがわかるのは深みがあって良い。 

 

さながら宇宙世紀のような光景も見られたし

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 あとメニュー画面のイラストがストーリー進行に合わせてガラリと変わる仕様なのがめちゃくちゃオシャレで感動した。今までもセーブ画面でパーティーメンバーが徐々に増えていくことはあったけど、構図も色合いも丸ごと変えて状況にバッチリ合わせてくるのはすごい。

 それと最初にも書いたけど、各領の風景や建造物が凝っていて歩くのが楽しかった。特に水の国の首都はアビスのグランコクマに似ているようで全く違う、住むための街ではなく権威を示すための街という説得力のあるデザインでよかった。

 

スクショだと色合いが変わってしまうけどプレイ画面は1.5倍くらい色鮮やかなのよ

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床下に水が流れているのが本当に綺麗

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 メニューから料理が作れなくなった代わりに野営システムになったけど、私はもともと戦闘ガチ勢じゃなくて料理はあまり使ったことがないのでこっちの方が「仲間と旅してる感」が感じられて良い。

 それとフクロウが色んなところに出てくるのが珍しくていい。猫とか犬とかはポピュラーだけどフクロウはなかなか無い。漆黒の翼のリーダーが黒いフクロウを大切にしていたというエピソードもよかった。

 

出会ったフクロウが集まってくるフクロウの杜がとっても可愛い

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 サブイベントで好きなのは「超!絶!美味大国!」

 一番好きなキャラはテュオハリム。レナ人の中で権力より音楽や美術の方が大事と言う人は相当珍しいという異端な感じもいいし、そういうズレた性格だからこそメナンシアでの統治に繋がり、さらにその経験があるからこそ新たな時代のレネギスを背負う存在になれるという流れが素晴らしかった。それでも欠点がないというわけではなくて、消極的ゆえに人との軋轢を生んでしまったり、レナ人としての当たり前を生まれた時から教え込まれているのは他の人と同じだから無意識にダナ人を下とみなした発言をしてしまったりするのがリアルでいい。あとちゃんと謝れる(これ重要)。私は彼とリンウェルとの絡みが好きで、リンウェルが魔法使いゆえに人から酷い言葉を投げかけられたら庇ってくれた話とか、いつか2人で遺物博覧会を開こうと相談している話とかがすごく良かった。

絵面が可愛すぎる

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 これも最初に書いたけど世界の謎を紐解くのが一番楽しかった。真相に迫ったと思ったら次から次へと謎が増えていくので頭が忙しかったけど、その時開示されている情報を一生懸命整理して推測していくのが面白かった。「領将のそばにいつもさりげなく控えていた、リドウさんそっくりのデザインの赤い人が実は本当のレナ王説」を2割くらいの真剣さで推していたので予想がほぼ(レナ王ではなかったが)的中していたことが超嬉しかった。あと「レナ本国の星霊力は既に枯渇していて実は誰も住んでいないのではないか説」も「王に選ばれた領将は決してそのままの自分として王になれるわけではないのではないか説」も。でも我々がレナ人と思っていたのは後から作られた存在で、本当のレナ人は異形の存在だったというところは予想外だったな。ダナの星霊術師がいる時点でレナ人との遺伝子の違いの問題ではないから、2つの人種は元々同じ星で暮らしていたんじゃないかとまでは考えていたので惜しかった。

 

 戦闘面では、術技を次々と簡単に出せてブーストを挟めば連続ヒットを狙える点が前作の正当進化という感じ。秘奥義を回避できるようになったことが新鮮だった。そうなると強敵感は少し薄れてしまうが、考えて戦えば勝てるという面白さがあると思う。SEがドパンドパンと飛び交うのは気持ちがいいがエフェクトが渋滞してどれが味方の術だかわからないという弊害もあった。しかしスピード感と言えば聞こえはいいがいくらなんでも速すぎる時がある。緩急の緩がまるで無いので常に忙しい。ブーストストライクはほぼ毎回の戦闘で使うためにスパッと終わらせたいのはわかるし実際スパッとしてくれた方がありがたいのだけど、単純にカメラが近すぎたり対象がカメラの中央にいないことが多いので何が起きているのかわかりづらい。それに秘奥義はブーストに比べて出す機会は少ないのだからあんなに速くしないでゆっくりめに見せてくれていいのにと思った。この点はベルセリアで良くなったのにゼスティリアに逆戻りしている。演出もブーストストライクの方は新鮮なものが多くて良かったが、秘奥義は「いつもの」と感じるものの方が多かった。私のお気に入りは衝破十文字とかテュオハリムの第一秘奥義とか。特に衝破十文字は今も昔もシンプルイズベストの体現のような技で惚れ惚れする。

   それとエネミーの種類がいつもより少ない気がした。属性ごとの色違いばかりで実際の動きは同じなので「またこいつか」と思う。設定上はレナが人為的に作ったものなので種類が少なくて当然なのかもしれないが、単純に戦っていて新鮮味が無い。星霊力の楔?で大型エネミーが出て「おおっ!」と思っても流れとしては雑魚敵を倒す→コアが無防備になるからタコ殴り、というワンパターン。イフリートさんなんてイベントシーンのワンパンで勝手に倒される始末。

   最後にまた愚痴を言ってしまうけど、パーティーが最終戦前で仲良し2人組×3になるのはいつものことだし6人としての仲間意識とは別に個々で付き合いやすい組み合わせというものもあるからそこは良い。でもその2人を全部男女の恋愛関係にするのはマジでやめてほしい。1つくらいは「ただ気が合う」という組み合わせでも良いだろ?それかせめて片想いとかさ……。恋人はパーティーの外にいるとかさ……。ロウ→リンウェルは露骨だけどリンウェルはそんな気は無いのかなと思ったらサブイベで頬染めてるし……。キサラがテュオと愛称で呼ぶだけならまだ友情や信頼、同じ国のために志を共有する同士として、と取れなくはないのにそれにリンウェルが触れちゃいけないみたいな空気出すのもマジかよと思ったし……。なんで仲間として絆が深まった、で終わらせてくれない?全員が示し合わせたかのように綺麗に割り算されるのは気持ちが悪い。

   あと温泉イベの覗き関連まだやってんのか……と呆れた。昔そういう話が軽いギャグ扱いだったことはもうどうしようもないが、未だにそれを引きずって「シリーズ伝統だから!」と必死になって守ろうとしているゴミみたいな感性が何より残念だわ。そのシーンになるとテュオハリムが急に「男のロマンが〜」とか言い始めるのキャラ的におかしいしスタッフのおっさんが乗り移ったのかな?と思った。

 

    いろんな人の感想を巡っていたら当然というべきか、ゼスティリアのトラウマを語っている人がちらほらいたので当時の記憶が蘇ってきた。確かにあの、ゲームの皮を被った不快な悪夢に比べればアライズは天国に見える。ここまで散々書いた不満点もゼスティリアの前では霞む。あれを経験してしまうとちゃんとした物が出てきてくれただけでもういっか!という気になってくるからすごい。私はベルセリアは傑作だと思っているけどなぜかあんまり知名度ないっぽいし……。アライズは何かが大きく破綻しているというわけでもないし所々で気合が入っているなあと感心するところもあったからシリーズを新生させるという意気込みは感じられた(イラストレーターも岩本さん一本になってたし)。ただやっぱり全体的な厚みが足りなくて熱く燃えるようなところがあんまり見つからなかったというのが私の正直な感想。